日本刀に関する法律として有名なものに銃刀法があるかと思います。
今回はこの銃刀法について解説していきます。
銃刀法とは正式には「銃砲刀剣類所持等取締法」という名称の法律です。
この法律では、刀剣類等の所持、使用等に関する危害予防上必要な規制をすることを趣旨としています。
規制対象となる刀剣類とは?
ではどういった日本刀がこの法律の規制対象になるのかを確認していきましょう。
銃刀法では
「刀剣類」とは
- 刃渡り十五センチメートル以上の刀
- やり及びなぎなた
- 刃渡り五・五センチメートル以上の剣、あいくち
- 並びに四十五度以上に自動的に開刃する装置を有する飛出しナイフ
のことを指します。
ただし、刃渡り五・五センチメートル以下の飛出しナイフで、開刃した刃体をさやと直線に固定させる装置を有せず、刃先が直線であつてみねの先端部が丸みを帯び、かつ、みねの上における切先から直線で一センチメートルの点と切先とを結ぶ線が刃先の線に対して六十度以上の角度で交わるものは対象外とされています。
刀剣類は銃刀法により原則として所持が禁止されていますが、教育委員会の登録を受けたものを所持する場合には規制の対象外となり、合法的に刀剣類を所持することができます。
よく勘違いされがちですが、日本刀を所持するためには、日本刀の登録が必要なだけであり、所有者が所持のための免許等を取得したり許可を受ける必要はありません。
日本刀の登録
日本刀の登録は教育委員会により行います。教育委員会において登録された日本刀には登録証が交付されます。
登録を受けた日本刀に以下の事由が生じた時には、登録証を返納しなければなりません。
- 当該刀剣類を亡失、滅失した場合。
- 盗まれた場合。
- 海外へ輸出した場合。
- 亡失し、又は盗み取られた登録証を回復した場合。
登録に関する届出
以下の場合には20日以内に教育委員会に届出を行わなければなりません。
- 登録を受けた刀剣類を譲り受けた場合。
- 相続により取得した場合。
- 貸付け若しくは保管の委託をした場合。
- 貸付け又は保管の委託をした刀剣類の返還を受けた場合。
ただし、試験、研究、研磨若しくは修理のため、又は展示等のための貸し付けや保管の委託をした場合には届出をする必要はありません。
日本刀と登録証
- 登録を受けた刀剣類を譲り渡したり、貸し付けたり、保管を委託したり、他人に運送させる際には登録証とともにしなければなりません。
- 登録を受けた刀剣類を譲り受けたり、借り受けたり、保管の委託を受ける際には登録証とともにしなければならない。
- 登録証のみを譲り渡したり、譲り受けることもしてはなりません。
登録証は常に登録を受けた日本刀と一緒になければなりません。
日本刀は我が国の重要な文化遺産であり世界に誇る美術品ですが、一方で法令の不知ゆえに思わぬ刑罰を被る可能性もありますので、銃刀法などの日本刀に関する法律の最低限の知識を備えておいていただければ安心かと思います。
手続き等でお困りの際は、是非お気軽にご相談ください。